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誰かの声が聞こえるんだ。君の名前を教えて?・・・よく聞こえないな、もっと僕のそばに来ておくれよ。もっと話をしよう。さぁ、おいで。姿を見せて。
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05.15.21:16

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  • 05/15/21:16

07.04.12:44

【記憶のカケラ】音と手が呼び起こした悪夢

トントントン。
扉を叩く音が聞こえる。




どうして。
もう僕は何もしていないのに。




ドンドンドン。
扉を叩く音が聞こえる。




どうして。
もうあんな長い時を一人で過ごしたくないのに。




ドンドンドン。
扉を叩く音とともに、僕の名前を呼ぶ怒声が聞こえる。




どうして。
もうみんな、死んでしまったはずなのに。






連れて行かないで。
僕は母様のそばにいたいだけなのに。
僕をその名前で呼ばないで。
母様から与えられたのはそんな名前じゃない。







やめて





離して














離せええええええええええ!!!!














夜明けも程近い、薄暗い空。サンセルの一室から、叫び声がする。
汗だくになりながら、飛び起きた一人の男。何もしていないのに、その息は荒い。
長い前髪がその頬に張り付いて。




あんな昔の、忘れたつもりだったのにな・・・。




誰にも聞こえないつぶやきは、静かな朝に溶けて。
気持ち悪い寝汗を流すのに、ベッドから抜けてシャワーを浴びに行く。









――――――連れて行かないで。僕はまだ、彼のそばにいたい。








呪われた翼は、まだ、白い。
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