Voice of Somebody

• 05/16/03:23

勝手にトラックバック。蒼蝶さんが素敵トキポルを書いて下さったのでちょっと妄想したくなった。
とはいえ、僕には誰かと誰かの行動を妄想するのは苦手なので、我が子独白のような形で。

トキポルで、トキの一人称形式です。

みーたんが上げてくれた我が子の誕生日スレで、我が子があの空白の10分間何を考えていたのか。
蒼蝶さんが書いてた最後の1行を「昨日(4/8)読んだ本」に入れさせていただきました。

構成なんか知りません。特に意味もありません。分かりにくいかもしれないので一応注釈だけ･･･。
順序的には、朝起きて学校行く前の考え事→空白の10分の考え事です。
SSというよりは、長めの詩のような感覚の方が近いかもしれません。

では以下。PLの妄想です。
あぁ、素敵なSSが書けるようになりたいお！！





考え事。



誕生日。
僕が、僕の年齢を忘れないためだけに18年間祝ってきた日。

祝われることは期待していない。
それが当たり前だから。忘れられていたとしても、別に。

僕にとって大事なのは、僕以外の誰かが、僕の大事な誰かが、ずっと笑っていられること。
かつて友人がそうだったように。母がそうだったように。
笑っていてくれさえいれば、それだけで、僕は。

それを壊して、愛されることは諦めたけれど、愛することで笑顔が作られるのなら。

学園に来てからできた大切な人。黒に近い茶髪の可愛らしい人。
あなたがいつも笑顔でいてくれるなら僕はなんだって。




テラの街で、楽器店の前で、彼を待つ。
いつもの暇つぶし。喉の振動を感じながら。




店の中に入っていった彼は、今どんな顔をしているのだろう。
どんなものを見て、どんな顔をして出てくるのだろう。

笑顔だと、いいなぁ。




歌いながらでも思うのは、彼のことだけ。
歌が綴るのは、自分への言葉か、彼への言葉か。
歌詞を間違えては少し首を振って、訂正して歌いなおす。



そういえば。
「偶然と必然で運命が紡がれるというのなら、出逢えたのは間違いなく必然であると、恋人達は笑うのでしょう。」
昨日読んだ本に、そんな一説があった。
僕にはきっとその感覚はわからない。選んできた道は、偶然なのか、必然なのか、問うたところで分かりはしない。

でもこの出会いが必然であっても偶然であってもきっと構いはしないんだ。
今僕がここにいて、彼がいて、笑って、語り合って、触れて。
今が、僕には一番大切。今は今しかないんだ。

かつて僕が手にかけた無数の命。
彼らの「今」を奪った僕。
僕の命を投げ出しても戻ってこないそれら。
だから、僕には生きるしか償うことは出来なくて。

愛して。愛されて。彼らがそうあるべきだったものを、愛されない僕が奪ってしまった。
だから、代わりに、この命、誰かを愛するために。

あぁ、どうか。
もしも神様がいるのならば、ひとつだけ、僕の願いを聞いてください。
僕の一生をかけて、彼を愛すると誓うから。
僕に、彼の死を見せないでください。
一生僕が彼を愛していられるようにしてください。




歌声が、わずかに震えた。
店の扉が小さく音を立てて開く。

聞かれてしまっただろうか。思わず口をつぐんで。

扉から出てきた彼は、いつもの数割増の笑顔。
礼と謝罪を同時に述べる彼。
いつもの、いつもよりもまぶしく感じるその表情に目を細め、僕も、笑う。

• 04/16/15:07
• SS
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